マーケティング戦略において長期的な利益を生み出し競合他社と差異化する手法は何だと思いますか?
ブランディング
ブランドとは、人が企業や商品に対して抱くイメージ全体です。もう少し付け加えるならば、消費者の認識や感情が付加された無形の企業に備わった価値観と言えるべきものです。
競争優位性の変化
物不足の時代には量産が求められました。
一通り需要が満たされると「品質」に対する要求が求められました。
そして今、付加価値の高さが消費者に求められています。
このような競争優位性の変化が差別化の源泉となり、消費者と自社の優位性を伝えていくコミュニケーションが「ブランド」構築へと変化してきました。
ブランド価値の源泉
では、このブランドの価値を評価するものは何か。
「ブランド」とは消費者の購買行動を通して社会的認知が高まることです。そして、その結果として優秀な人材が確保でき競合他社に抜きんでた人材を確保し、株主にプラスの影響を与え、資金調達コストを引き下げることが可能とするところまで波及効果を生み出すことにあります。
つまり、「ブランド」価値の源泉は、社会的信用、とも言い換えることが可能です。
ブランド戦略とは何か
アメリカ合衆国の経営学者デービッド・アーカーは、ブランド構築においてブランドの価値の源泉は、「ブランド・エクイティ」だと定義づけました。
1991年に著した「ブランド・エクイティ戦略-Managing Brand Equity」で、ブランドエクイティを以下のように定義しています。
ブランドエクイティの定義
ブランドの名前やシンボルと結びついたブランドの資産(あるいは負債)の集合であり、製品やサービスの価値を増大させるもの。
ビジネスにおける「資産」とは将来、利益を生み出すことが見込まれるが、まだ利益を生み出す前の状態のものと、一般的には理解されています。
そして「ブランド」もまた「将来利益を生み出すことが見込まれる状態のもの」であるから「資産」に相当する、という概念です。
ブランドをマネジメントする
「ブランドエクイティ論」の登場により、それはマネジメントの対象となりました。いわゆる、「ブランド構築」とか「ブランディング」です。
徹底的に自社の強みを見出だし、ユーザーの心にどのように存在すればいいのか、どのように訴求すればそれを実現できるのか、そうした「ブランド戦略」が必要となってきました。
ブランディングとブランド戦略
まず「ブランディングとは何か?」ということ。ブランディングとは、文字通り「ブランドにする」ことを指します。(brand→branding) もう少し付け加えると、消費者に自社の商品・サービスに対して共通のイメージを持ってもらうことを指します。
そして、「ブランド戦略」とは、競合他社との差別化を明確にし「ブランドにする」ことで企業や商品、サービスなどにおいて付加価値をつける戦略のことです。
では、この「ブランドにする」ことであるブランディングをどのような戦略でもって構築していくのか、について話を進めていきたいと思います。
ブランド戦略の目的はブランド価値の最大化
生産者は、お金を通して信頼・信用という価値を提供します。消費者は提供される商品、サービスをお金を通して価値を手に入れます。
生産者が提供する価値が消費者にとって有益であればあるほど、高い価格で取引されます。
ブランド価値の最大化する手法は様々な取り組みがなされていています。ここでは、デービッド・アーカー氏の「ブランド・エクイティ戦略-Managing Brand Equity」をベースにブランド価値の最大化する手法を解説していきたいと思います。
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認知(Brand Visibility)
認知とは、「ブランドが認識されている度合い」のことです。単に生活者がブランド名を知っているに留まらず、正しく認識されているかどうか、消費者自身が自分との関わりが認識されているかどうか、です。
「お酢といえばミツカン」、「コーヒーならスターバックス」、「テーマパークのディズニーランド」と表現すれば、ブランドの認知が意味するところを理解しやすいかと思います。
品質(Perceived Quality)
品質とは、「利用者が認識する品質」です。単に製品の機能・性能だけでなく、信頼性やサービス、雰囲気など、その範囲は多岐に渡ります。
たとえば、「Made in JAPAN」と明記された商品と、「Made in XXXXX」と記された商品の場合、あなたはどちらを選びますか?
品質とは、そういうものです。(XXXXXはご自身で適当な国名を当てはめてみてください)
ロイヤルティ(Brand Loyalty)
ロイヤルティとは、「愛着」とか「優位性」のことです。消費者が何度も同じ商品を購入したり、ある特定のブランド名を冠したバッグや時計を購入するのはなぜだと思いますか?そこに、「愛着」とか所有することによる「優位性」を得られると消費者が感じているからです。
ロイヤルティの構築や醸成は、早期に取り組むほど高い効果を得やすいという特徴を持っています。そして、このブランドロイヤルティの向上は、事業収益を底上げします。
連想
連想とは、「ブランド解釈からの感情移入」と理解してください。ブランド連想は感情移入や指名買いを形創るだけでなく、強く個性的なブランド連想を築きます。
たとえば、「テーマパーク」と耳にしたとき、真っ先に何を思い浮かべますか?
もちろん、人によって感情移入する対象が異なりますので正解はありませんが、軽快なポップ調の音楽が聞こえるネズミをキャラクター化したディズニーランドを思い浮かべる人がいます。
これが、「ブランド解釈からの感情移入」となる連想です。
資産
資産とは、特許、商標などといった知的所有権との理解でおおむね問題ありません。
形のある資産は老朽化します。しかし、ブランドという資産は、消費者の認識の中に存在するため長期にわたって資産であり続けることができます。
ブランディングとは、単なるデザインや宣伝ではなく、ユーザーに共通のイメージを持たせる手法の総称であり、そのために立てるのが「ブランド戦略」です。そして、その本質に基づき、戦略的にブランディングを推し進めていくのが重要です。
この記事がマーケティングとしてではなく、スキルとしての「ブランディング」を組織として取り組んでいただける一助になれば幸いです。
本章ではこの新しい企業と消費者を結びつけるサービスの考え方、構築方法について紹介してまいります。どうぞ、参考にしていただければと思います。
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