以前の記事では、「五大栄養素」と「食事バランスガイド」の関係についてお話ししました。
「食事ガイドバランス」は、厚生労働省と農林水産省の各ページで確認することができます。あわせて参考にしていただければと思います。
今回の記事は、炭水化物です。
炭水化物
炭水化物は、白米、パン、麺類、かぼちゃ、イモ類に多 く含まれています。なお、<糖質>と<食物繊維>とに分けることができます。
炭水化物は構成している単糖の数が1個のものを単糖類、2個のものを二糖類、2~10数個のものを少糖類、それ以上のものを多糖類と言います。
炭水化物の吸収と働き
皆さんよく耳にしたことがあると思いますが、脳の唯一のエネルギー源です。もう少し説明を付け加えますと、炭水化物は体内では、主に血液中にブドウ糖の形で存在しており、このブドウ糖が脳のエネルギー源です。脳は1分間 に約100mgの割合でブドウ糖を消費していると言われています。
また炭水化物は、肝臓や筋肉 にグリコーゲンとして貯えられたり、一部は血液中に血糖として入ります。
炭水化物に関するダイエット
人間が生きるうえで欠かせない3つの栄養素を三大栄養素と呼びます。これは炭水化物、たんぱく質、脂質です。糖質は炭水化物から食物繊維を除いたものです。
巷では、炭水化物を抜くダイエット、少量の炭水化物でのダイエットなどが広告されていたりします。農林水産省のホームページには次のような注意喚起がされているのをご存知でしょうか。
やってはいけないダイエットあれこれ
特定の食品や栄養素を避けると…
必要な栄養素をとれなくなってしまったり、逆に特定の成分をとりすぎてしまったりする可能性があります。
出典:農林水産省「正しいダイエットとは?」
限られた食品しか食べないと…
必要な栄養素をとれなくなってしまったり、逆に特定の成分をとりすぎてしまったりすることにより、健康を害してしまう可能性があります。
出典:農林水産省「正しいダイエットとは?」
運動しないで、食事の量だけ減らすと…
体脂肪だけではなく筋肉もいっしょに落ちてしまいます。いったん体重を落としても、リバウンドすると、脂肪だけが増えて以前よりも体脂肪の割合が増えてしまいます。また、筋肉が減ると基礎代謝量が落ちて、より脂肪が燃えにくい体になってしまいます。
出典:農林水産省「正しいダイエットとは?」
何と言いましょうか、そらそうですよね、という話ばかりですね。
炭水化物を抜くということは、同時に食物繊維の摂取にも影響が出てきます。食物繊維の摂取目標量は, 18歳以上では男性20g/日以上,女性18g/日以上とされていますが、炭水化物を抜くことでこの摂取目標値に影響があるのは自明のことですよね。
「食事バランスガイド」に従った日々の食事の場合、必要な栄養はまかなえるというのはこれまでにも説明を繰り返してきました。あとは、そのバランスを維持しつつ量の調整や運動によるところだと思うのですが、炭水化物抜きダイエットは三大栄養素の一つで健康維持にも欠かせない栄養素を減らすため、やり方を間違えると体に負担をかけます。
それだけではなく、短期的な減量に成功したとしても元の体重以上にリバウンドするなどの結果を招く恐れがあるとされています。
ハーバード大学の研究「Changes in Diet and Lifestyle and Long-Term Weight Gain in Women and Men」によると、体重コントロールは、果物や野菜と比べて全粒穀物の方が優れているとされています。
こちらの論文を読み解くなかで、ダイエットをするのであれば炭水化物を抜くのではなく、より食物繊維が多く含まれる穀物類を摂取したほうが効果があるのではないか、私はそう思います。
上記の「食事バランスガイド」の説明はあくまで平均目安の説明です。ご自身の食事の適量については、厚生労働省のページに「食事バランスガイド」を使って、食事のバランスをチェックするページの案内があります。
どうぞ、こちらを参考にしてご自身の食事の適量をぜひ確認してみてください。
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