前回に引き続き、食品添加物と上手に付き合うための情報をお届けしていきたいと思います。
前回の記事でもお話しをしましたが、食品添加物を一番わかりやすく端的に述べると、「家の台所にないもの」はほとんど添加物と考えてよいと思います。
じゃあ、なぜそのようなものを使うのか。
添加物の役割と目的
添加物を使うのには理由があります。なんどか説明してきましたが、おさらいです。
- 食品の味や風味を調えたり、外観をよくする
- 食品の品質を高め、長期保存を可能にする
- 食品の加工、製造上で必要な固める作用(豆腐のにがりなど)
- 栄養成分を強化したり、酸味を付け加える
ざっと並べると以上のような理由から食品添加物を使用しています。
私たち一般消費者がイメージする「食の安全」は、実は、心理的な判断による「食の安心」に近いです。本来、「食の安全」はすべて数値化されて管理されています。
前回は食品添加物のキャリーオーバーについてお話ししました。
食品にはいろいろの原料が使われます。この原料の中に入っていた食品添加物は最終食品に残ってきますが、その量がきわめて少なく、当然その添加物としての効果も発揮しないような場合があります。これらの原料より持ち越された添加物のうち、表示を免除されるものをキャリーオーバーといいます。
今回は、『一括表示』についてお話しをしたいと思います。
一括名表示
まず、原材料名の表示欄を見ても使用されている食品添加物のすべてを知ることは不可能だということを知ってください。
食品添加物は、原則としてすべて物質名を表示することになっています。アスパルテーム、アセスルファムK(カリウム)、赤102、カラメル色素、ビタミンC といった具体的な名称が物質名です。しかし、食品添加物の中には、表示が用途名だけで構わない「一括表示」が許可されている用途があります。
一括名表示
別表第7に掲げる14種の一括名で使用される添加物は、「食品表示基準について(別添 添加物)」に規定された一括名の定義(目的)及び添加物の範囲に該当する場合に限り、物質名を表示する代わりに一括名表示をすることができます。
(表示例)
一括名 一括名表示 1 イーストフード イーストフード 2 ガムベース ガムベース 3 かんすい かんすい 4 酵素 酵素 5 光沢剤 光沢剤 6 香料 香料又は合成香料 7 酸味料 酸味料 8 チューインガム軟化剤 軟化剤 9 調味料(甘味料及び酸味料に該当するものを除く。) 調味料(アミノ酸)、調味料(アミノ酸等)
調味料(核酸)、調味料(核酸等)
調味料(有機酸)、調味料(有機酸等)
調味料(無機塩)、調味料(無機塩等)10 豆腐用凝固剤 豆腐用凝固剤又は凝固剤 11 苦味料 苦味料 12 乳化剤 乳化剤 13 水素イオン濃度調整剤 水素イオン濃度調整剤又はpH調整剤 14 膨張剤 膨張剤、膨脹剤、ベーキングパウダー、ふくらし粉
出典:『加工食品(添加物)』 「食品衛生の窓」東京都福祉保健局より
こちらの14種類の用途で使用されている食品添加物です。これを多いと思うか、少ないと思うかは個人の判断かと思いますが。。。
なお、一括名表示が認められた食品添加物は、全般的に危険性の高さが低い傾向があると言われています。合成香料のなかには、毒性の強いものもありますが、一般に添加量が微量なので影響は少ないと考えられています。
もちろん、一括目表示が許可されているとはいえ、メーカーが自発的に物質名を表示している場合もあります。
食品添加物は、さまざまな毒性試験や国際基準によって、体に影響のないように使用されています。消費者はどんな材料や調味料、添加物を使って作られているか気にすることなく、加工食品を利用していても問題ないのかもしれません。
と言いつつも気になるのも否めません。
調味料に限らず、「安全」と決めつけるのではなく、どのようなリスクが潜んでいるのかの正しい知識を、論拠ある文献から吸収して、あまり神経質になることもないと思います。
食品添加物は本来必要のないものも含まれているのは事実ですので、できるだけ摂取量を減らせるようにも心掛けていきたいですね。
私たち一般消費者がイメージする「食の安全」は、実は、心理的な判断による「食の安心」だったということがわかりました。
本章では、食の安全に関する基礎知識をまとめていきたいと思います。どうぞ、参考にしていただければと思います。
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