食品は、本来、ヒトの生命維持や健康の増進に欠かすことができないものですが、栄養豊かな食品でも取り方や量が適切でなければ健康に良くないですし、時には食品に有害な病原菌や化学物質などが含まれている場合があります。これらが健康に及ぼす悪い影響の確率とその深刻さの程度を「リスク」と呼びます。

食の安全に「絶対」はなく、なんでも食べすぎれば体に悪いということも事実です。

リスク分析

事故を未然に防ぎ、リスクを最小限にとどめるために役立つことから、リスク分析の3要素を一体的に進めるべきであるとされています。

「リスク評価」

食品を食べることにより人の健康に及ぼす影響について科学的に評価すること

「リスク管理」

リスク評価の結果を基に、基準の設定など「リスク」をできるだけ小さくする行政的対応等

「リスクコミュニケーション」

リスク評価、リスク管理について理解を深め、意見を交換すること

 
 
「食品のリスク」について、行政、生産者・事業者、消費者、専門家など生産から消費に至るまでの全ての関係者が意見交換を行い、情報を共有して理解を進めることを「リスクコミュニケーション」といい、「リスク評価」や「リスク管理」により、食品の安全性が確保されています。

 
 

食品リスクの「大きさ」

前回の記事でお話しをした「リスクはある・なしではありません。そのリスクはどのくらいの大きさか、で考えなければなりません。」という点について。

実は食品におけるリスクという考え方は最初からあったわけではありません。
1958 年米国で「デラニー条項」が制定され、動物実験で発がん性を示した物質は食品添加物としての使用を禁止されました。
このデラニー条項は、リスクをゼロとするための管理は、非現実的であるという考え方が広まってきたこともあり、 1996 年、廃止されました。

そこで、食品に含まれる化学物質に対するリスクの大きさを、

リスクの大きさ(高さ) … ハザード×ばく露量

で考えていくことになりました。つまり、化学物質のリスクの大きさは、主として「ハザード」の性質と「ばく露量」、ばく露の方法や遺伝的背景によって決まるということです。

ハザード

危害を与えるであろうと考えられる要因、因子

ばく露量

食べたり吸ったり接触したり等によるその量

 
 
これが、食品リスクの「大きさ」です。

リスクの大きさは、食品に含まれる物質の有害性と、それをどれだけ食べたかという摂取量で決まります。摂取量が多いほどリスクは大きくなります。
一方、同じ有害性であっても摂取量が少ない場合は、リスクは小さくなります。しかし、摂取量に関する情報が伝わらず有害性だけが強調されると、リスクが過大に受け止められやすくなるといいます。

『なんとかは危険』とか『なんとかはバツ』『なんとかはマル』、良いか悪いかの2つになってしまうけれど、実際あらゆるものがリスクがあるので、リスクは大きいか小さいかで判断しましょう。

この日本においては、こうしたリスク分析の考え方に沿って、食品安全基本法が制定され、リスク評価機関として食品安全委員会が、リスク管理機関として農林水産省や厚生労働省等がそれぞれの役割を果たしているところです。

 
 

調味料に限らず、「安全」と決めつけるのではなく、どのようなリスクが潜んでいるのかの正しい知識を、論拠ある文献から吸収して、あまり神経質になることもないと思いますが、添加物を気にしてます、くらいの感覚で食事を楽しんでいただければと思います。

私たち一般消費者がイメージする「食の安全」は、実は、心理的な判断による「食の安心」です。

本章では、食の安全に関する基礎知識をまとめていきたいと思います。どうぞ、参考にしていただければと思います。

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