前回のお話しでは、「無添加」=「安全」という話には一筋縄ではいかないということをお伝えしました。
今回も食品添加物に関する食品リスクについてお話を続けますが、その前に。。。
下の画像をご覧ください。これ、何だと思いますか?
こちら、角砂糖です。
何の話? って思われ方。正解! 今回の話とはまったく関係ありません。
なんていうのは冗談です。
じつはこれ、角砂糖12個分の写真なのですが、なんで12個分の角砂糖の写真を載せたでしょうか。
茶碗に1杯くらいのごはんはおよそ120~150gと言われています。米や小麦など、「炭水化物」も、消化されると、最終的には「ブドウ糖」になります。つまり「炭水化物」はいわゆる「糖質」です。そして、この茶碗一杯のごはんを角砂糖換算すると、おおよそ12~14個程度の「糖質」になるというのです。
なお、テレビなどでおなじみのコーラ500mlの場合、角砂糖16コ程度と言われています。茶碗一杯のごはんとコーラ500mlの含有される「糖質」って、実はそんなに大差ないだなって思わされますね。
今回のお話しは、この「糖質」についてのお話しを中心に、食品添加物の食品リスクをお伝えします。
糖質ゼロと糖類ゼロの違い
スーパーや自動販売機で販売されている飲料水、食品、レトルトやお菓子などのパッケージで、次のような表記をご覧になられてたことはありませんか?
「ノンシュガー」「無糖」「シュガーレス」「低糖」「微糖」
「糖質ゼロ」「糖質オフ」「糖質カット」「低糖質」
これら表記の違いをご存知ですか?糖質ゼロと糖類ゼロは同じもののように混同されがちな表現ですが、まったく別物です。まず、「糖質」と「糖類」の違いが大きくその意味合いが異なります。
たとえば、先の話の茶碗一杯のごはん。あれは「炭水化物」であって「糖類」ではありません。しかし、消化の過程を経て最終的に「ブドウ糖」という「糖類」になります。
つまり、糖類とは、いわゆる砂糖のほか、ブドウ糖や果糖、麦芽糖、乳糖といったような、いわゆる「甘いもの」のことを示します。一方、糖質となると、前述した糖類に加えてオリゴ糖やでんぷん、糖アルコールという糖が含まれます。
糖類ゼロと表示されている商品(※とくにお菓子や飲料など)で甘味を感じたことはありませんか?
これは、食品添加物である人工甘味料など、糖類ではないオリゴ糖やキシリトールなどが添加されていることは十分に考えられるわけです。
なお、科学的に分析すると、「低糖」や「微糖」といった表現は、食品100gあたり5g以下、飲料100ml当たり2.5g以下の糖類が含まれており、「糖質オフ」「糖質カット」「低糖質」などの表示がされている場合は、食品100gあたり5g以下、飲料100ml当たり2.5g以下の糖質が含まれてよいと、消費者庁の栄養成分表示及び栄養強調表示において栄養表示基準制度で取り決められています。
では、ここでいよいよ本題です。
今回の食品添加物の食品リスクは、人工甘味料に関する食品リスクを説明したいと思います。
甘味料 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/甘味料
繰り返しますが、「食の安全」は、基準値によりその食品リスクを管理されています。
数値化されていない食品リスクは心理的な判断による「食の安心」であることを念頭に、読み進めていただければと思います。
人工甘味料とは何者なのか
甘味料とは食品に甘みを加える調味料で、厚生労働省によりますと食品衛生法による食品の表示では「食品添加物」に分類されます。甘味料には、「天然甘味料」と「合成甘味料」があります。
このうち、合成甘味料は、食品に存在しない甘味成分を人工的に合成したもの(人工甘味料)です。
サッカリン、アスパルテーム、ネオテーム、アドバンテーム、アセスルファムカリウム、スクラロース
などといった表示を見たことがあるのではないでしょうか。これらが代表的な人工甘味料です。
人工甘味料で糖尿病のリスク
皆さんはネイチャーという雑誌をご存知ですか?
ネイチャーは、国際的な総合科学ジャーナルで、掲載される論文は様々な観点から査読を受け、主な愛読者は研究者であるため、その内容はかなりの信頼性があるとされ、科学情報紙として世界的に権威をもっていると評価されている雑誌です。
ネイチャー – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/ネイチャー
その学術雑誌「ネイチャー」で発表され、大きく注目を浴びた記事をご存知でしょうか。
ネイチャー論文「ノンカロリー人工甘味料が耐糖能異常を引き起こす」
原題:Artificial sweeteners induce glucose intolerance by altering the gut microbiota
このネイチャーの発表はあくまで人工甘味料が糖尿病のリスクを高めているとの発表にとどまっているという点で、まだすべては解明されていません。
また、アメリカのテキサス大学の研究者たちは2009年から大規模な調査を実施しました。その内容は、毎日人工甘味料がはいった飲料水を飲んだ場合、Ⅱ型の糖尿病を発症するリスクが67%上昇するというものでした。
日本においても独立行政法人農畜産業振興機構の発表によると、金沢医科大学の研究発表において人工甘味料の代表的な摂取源であるダイエット清涼飲料水の摂取が糖尿病発症リスクを高めることが報告されています。
その報告の中では、「ダイエット清涼飲料水を週に1カップ(237ml)以上飲む人は、飲まない人と比べて糖尿病発症の危険が1.7倍高かった」、とあります。
ただ、ネイチャー誌も、テキサス大学の研究、金沢医科大学の研究発表のいずれにおいても、糖尿病発症のリスクが人工甘味料を摂取しない人に比べた場合に、そのリスクが高いという発表にとどまっており、糖尿病発症の真の原因が人工甘味料にあるとは断言していないのです。
我々のような一般消費者としては、これだけの機関が糖尿病への関連性を認めているため、不安なるのは当たり前のことですね。
しかし、何度も繰り返しますが、「食の安全」は、基準値によりその食品リスクを管理されています。
数値化されていない食品リスクは心理的な判断による「食の安心」なのです。
様々な実験や調査結果で人工甘味料の安全性が疑われています。とは言え、確実に断言されたという話もありません。原材料名をチェックして、疑いのある人工甘味料は、極力摂取しないように気を付けることが大切だと思います。
日々のちょっとした選択の積み重ねが自分の身体をつくるので、一人一人が食に対する意識を変えていきたいですね。
この食品添加物に関する食の安全性は、話が長くなってしまいますね。
引き続き、次回以降も続けてお話ししていきたいと思います。
私たち一般消費者がイメージする「食の安全」は、実は、心理的な判断による「食の安心」だったということがわかりました。
本章では、食の安全に関する基礎知識をまとめていきたいと思います。どうぞ、参考にしていただければと思います。
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