こんにちは。食育コンサルタントのベルディアです。
今回の日本の農業問題シリーズは、少し趣向を変えて、なぜ食育コンサルタントが農業問題への取り組みやスマートアグリを事業として行っているかの説明を含めた記事の内容でお伝えしたいと思います。
農業問題は食習慣と食文化に行きつく
実は、大きな声で言えることではないのですが、、、農業問題の何が問題なのか見えづらい。それが農業問題の問題です。
ナニヲ イッテ イルノ デスカ? イッテ イル イミガ ワカリマセン。
という声が聞こえそうですが、そうなんですよね。。。
では、一つ例を。イメージしてください。
「農家」のイメージ
「農家」からイメージすることは何ですか?
皆さんがイメージする「農業」とは、この上の写真の女性のような羨望の眼差しで見られている産業でしょうか?
数ある産業のうち、3K(汚い,きつい,危険)、費用対効果が低い、非効率、天候に非常に左右される、過酷な労働環境、四季に左右される不規則なライフスタイル、少なからず、このようなネガティブなイメージを持ったりしていませんか?
なぜこのようなネガティブなイメージを、一度も経験したことのない、かつ、都市部の消費者にはお世辞にも身近とは言えない「農業」という産業に対して、一般消費者が持っているのでしょうか?
マスコミがネガティブな産業として報道するからです。
農家を費用対効果が低い産業を担う弱者として報道するから、政府は国政としていい加減な補助金を出すような政策を行います。
国家における農業の重要性、価値に沿った議論をしていないのです。
子供と「農業」の関係
コンビニエンスストアやインスタント食品の増加により、調理しなくても手軽でおいしい食事をとることができるようになりました。その結果、食と農とが結びつかなくなっている子どもが増えているようです。つまり、現代の子供たちは、親が農家を経験していなければ(都市部でサラリーマン家庭に育った親であれば)、農業を体験することは日常生活では絶対にありません。
高齢者が子供だった時代(およそ60~70年ほど以前)は、子供は家族の手伝いなどを通して農業を体験する機会がありました。そして戦後の近代化、高度成長期を経ることで、都会の農地は姿を消していき、また、農家離れや核家族化などにより体験する機会が少なくなってしまいました。
そして、先の「農業」のイメージを子供たちが持ったと仮定します。
その子供たちが大人になったとき、自身の就職先の産業として「農業」を選択すると思いますか?
「農業」は食糧を担う産業
食料自給率、という言葉を聞いたことがある方は多いと思います。農林水産省によると、平成28年度の食料自給率は次の通りです。
カロリーベース総合食料自給率
「日本食品標準成分表2015」に基づき、重量を供給熱量に換算したうえで、各品目を足し上げて算出。これは、1人・1日当たり国産供給熱量を1人・1日当たり供給熱量で除したものに相当。
(例)カロリーベース総合食料自給率(平成28年度)
=1人1日当たり国産供給熱量(913kcal)/1人1日当たり供給熱量(2,429kcal)=38%
生産額ベース総合食料自給率
「農業物価統計」の農家庭先価格等に基づき、重量を金額に換算したうえで、各品目を足し上げて算出。これは、食料の国内生産額を食料の国内消費仕向額で除したものに相当。
(例)生産額ベース総合食料自給率(平成28年度)
=食料の国内生産額(10.9兆円)/食料の国内消費仕向額(16.0兆円)=68%
食料自給率の推移
農業は自然を相手にした産業です。他の産業と違って「カイゼン」が効果をもたらす可能性は低い傾向にあります。食料自給率が下がったのでそれを是正するために農業のノウハウを「カイゼン」して改めましょう、などという簡単なものではありません。
前回の休耕地の問題でも取り上げて説明した通り、米、つまり水田は思いつきで作れるわけではありません。先祖代々にわたって耕して土作りを行い、その土地で培われた栽培ノウハウの蓄積などによってもたらされるのがお米です。つまり、米の安定的な生産には数年を要します。
話を食料自給率に戻します。上記の食料自給率はマスコミなどでも報道されるので皆さんよくご存知だと思います。
では、主食用穀物自給率はご存知ですか?
農林水産省によると、平成28年度の主食用穀物自給率は、59%です。
マスコミはよく「お米」の品目別食料自給率は100%と報道しています。
主食用穀物はお米だけですか?
いもや小麦も主食用穀物です。これらの品目別食料自給率を見てみると、日本人にとっての主食用穀物はまったく賄えていないということがよくわかります。
生命の維持に直結する「食料」をカロリーベース・生産額ベースにしろ品目別であっても、いずれも自国で賄えない国なのです。日本は。
それだけ、食糧を生産するという重要な産業を担う「農業」が壊滅的な状況になっているということを少しでも気づいていただけましたでしょうか。
農業とは命を育て、命の糧を生み出す産業であり、命の存在を抜きにして食だけを語ることはできません。
そして、農業という産業が育んだ食糧が日本の食習慣、そして食文化を形成しているのです。
だから、食育コンサルタントであるベルディアは、農業問題への取り組みやスマートアグリを事業として行っているのです。
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子供たちが成長し大人になってからも生涯にわたって実践し、食の知識・経験や日本の伝統的な食文化などを「次世代に伝える」ための教育・支援・サービスをご提案します。
農業に限った話ではなく、製造業やサービス業など他の産業においても問題がないわけではないのはお分かりのことかと思います。しかし、なぜここでは農業の問題を取り上げるのか。
農業は人が生命活動を行う上で最も必要不可欠な食料を生産する産業であるというところにあります。ただ、勘違いしてほしくはないのですが、あくまで食料という生産物に対する産業としての農業の問題を取り上げるのであって、農業という産業の特性を取り上げるのではないことを先にお伝えしたいと思います。
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