ミネラル(無機質)は、ビタミンと同様に体の機能の維持・調節に欠くことのできない栄養素です。カルシウム、鉄、ナトリウムなどがあります。

人の体の中では作ることができないので、食べ物からとる必要があります。ミネラルは、骨などの体の組織を構成したり、体の調子を整えたりする働きがあります。

ミネラル(mineral)は、一般的な有機物に含まれる4元素(炭素・水素・窒素・酸素)以外の必須元素である。無機質、灰分(かいぶん)などともいう。蛋白質、脂質、炭水化物、ビタミンと並び五大栄養素の1つとして数えられる。 日本では13元素(亜鉛・カリウム・カルシウム・クロム・セレン・鉄・銅・ナトリウム・マグネシウム・マンガン・モリブデン・ヨウ素・リン)が健康増進法に基づく食事摂取基準の対象として厚生労働省により定められている。 生物の種類や性別、成長段階によって必要な種類や量は異なる。
ミネラル – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/ミネラル

体に必要なミネラルは16種類あります。

体に必要なミネラル

体に必要とされるミネラルは16種類とされていて、これを必須ミネラルと呼びます。

主要ミネラル

7種類あります。

カルシウム・リン・カリウム・硫黄・塩素・ナトリウム・マグネシウム

微量ミネラル

9種類あります。
鉄・亜鉛・銅・マンガン・クロム・ヨウ素・セレン・モリブデン・コバルト

微量ミネラルの中で、特に女性が気を付けてほしいのが鉄です。月経で血液が失われてしまうため、貧血につながりやすいことはご存じのことと思います。

これら必須ミネラルのうち、塩素・硫黄・コバルト以外の13種類については、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」で摂取量の指標が定められています。

ミネラルの主な働き

次のように重要な機能を担っています。

生理機能

ミネラルには酵素やその他の生理活性物質の構成成分など様々な生理機能があります。

表-1 ミネラルの生理機能
生理機能元素の例
生体組織の構成成分骨・歯などの構成カルシウム リン マグネシウム
有機化合物と結合ヘモグロビンの鉄 リン脂質のリン
生体機能の調節pH・浸透圧の調節カリウム ナトリウム カルシウム リン マグネシウム
神経・筋肉の興奮性の調節カリウム ナトリウム カルシウム リン マグネシウム
酵素の構成成分マグネシウム 鉄 銅 亜鉛 マンガン セレン
生理活性物質の構成成分鉄 ヨウ素 亜鉛 モリブデン

出典:「ミネラルの働きとその分析方法」一般財団法人食品分析開発センターSUNATEC

 

欠乏症と過剰症

ミネラルには体内における最適濃度範囲があり、不足したときに見られる症状(欠乏症)と過剰に摂取したときに見られる症状(過剰症)があります。

表-2 ミネラルの欠乏症と過剰症
元素過剰症欠乏症
カルシウムCa泌尿器系結石 ミルクアルカリ症候群骨粗鬆症 歯・骨の発育不良
リンPCa出納の不平衡 副甲状腺機能の亢進骨軟化症 発育不全
マグネシウムMg下痢神経・精神疾患 不整脈 心疾患
Fe循環器障害 嘔吐鉄欠乏性貧血
Cuウィルソン病 肝硬変 運動障害 神経障害メンケス病 貧血
毛髪・皮膚の色の脱色
亜鉛Zn鉄・銅の吸収阻害 めまい 吐き気 嘔吐成長阻害 食欲不振 味覚障害
免疫能低下 創傷治癒障害
マンガンMn神経・運動障害 パーキンソン病骨格形成障害 生殖線機能障害
糖質・脂質代謝異常
カリウムK高カリウム血症 血圧低下 心不全 下痢脱水感 食欲不振 吐き気 高血圧
ナトリウムNa高血圧 動脈硬化 心筋疾患 胃潰瘍神経痛 精神異常 発熱 めまい

出典:「ミネラルの働きとその分析方法」一般財団法人食品分析開発センターSUNATEC

身体で作ることができないミネラルは、食品で摂るほか方法がありませんが、食生活の西洋化やファーストフード・インスタント食品・加工食品が増えたことによる影響のため、ビタミンやミネラルが少なくなっている傾向が指摘されています。
 

ミネラル豊富な食品

繰り返しますが、私たちの生活ではビタミンやミネラルが少なくなっている傾向が指摘されています。また、ミネラルは身体で作ることができません。そのため、食事で少しでも意識したミネラルの摂取を心がけてほしいです。

 

必須ミネラルを多く含む食品
亜鉛牡蠣、豚レバー、牛もも赤身肉、油揚げ、納豆
カルシウム木綿豆腐、いわしの丸干し、小松菜、チーズ
マグネシウム蕎麦(乾麺)、乾燥わかめ、あさり
小松菜、切り干し大根、レバー、あさり、海藻
牛レバー、牛ヒレ肉、くるみ、ピスタチオ
セレンたらこ、鰹、牛肉、鰻

出典:『おいしく健康をつくる あたらしい栄養学』(高橋書店)

 

栄養素をバランスよく

このカテゴリでは何度となく繰り返していますが、ミネラルに限らず、栄養素はバランスよく摂ることがとても大切です。
野菜や果物、魚介類、海藻類などの自然の食物には栄養素がバランスよく含まれているので、旬の食材を上手に摂って、ミネラル不足防止に活用しましょう。

そして、「食事バランスガイド」をうまく活用してほしいと思います。

 

 
「食事ガイドバランス」は、厚生労働省と農林水産省の各ページで確認することができます。あわせて参考にしていただければと思います。

 

摂取エネルギーと消費エネルギーのバランスがずれて消費エネルギーが少ない場合、使われないエネルギーは脂肪として蓄えられます。摂取エネルギーの適正を測る一つの目安として体重があります。

ただ、摂取エネルギーのことばかりに気を留めるのではなく、食事の目安は「性別」「年齢」「身体活動量」に依存しており、その関係には相関関係があります。

上記の「食事バランスガイド」の説明はあくまで平均目安の説明です。ご自身の食事の適量については、厚生労働省のページに「食事バランスガイド」を使って、食事のバランスをチェックするページの案内があります。

どうぞ、こちらを参考にしてご自身の食事の適量をぜひ確認してみてください。

 

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