本日のお話しも前回に続いて食欲の話です。

この食欲は老化とともに衰える、という内容のものが前回の話でした。今回は、すこし視点を広げて以前に話をした陰陽五行説の話を織り交ぜながら進めたいと思います。

陰陽五行説1回目:陰陽五行説と桜沢如一

陰陽五行説2回目:陰と陽のバランス

陰陽五行説3回目:陰陽五行説と五臓

陰陽五行説4回目:陰陽五行説と五味
 

陰陽五行思想(いんようごぎょうしそう)とは、中国の春秋戦国時代ごろに発生した陰陽思想と五行思想が結び付いて生まれた思想。陰陽五行説(いんようごぎょうせつ)、陰陽五行論(いんようごぎょうろん)ともいう。陰陽思想と五行思想との組み合わせによって、より複雑な事象の説明がなされるようになった。
陰陽五行思想 – Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/陰陽五行思想

 

食欲は生命力

人は、食べることでしかエネルギーを得ることはできません。食べるというのは生きるということに直結していて、食欲=生命力なのではないかという論点です。

これを表しているのが、陰陽五行説の『腎』です。ここで言う「腎」は、西洋医学で言う腎臓そのものではありません。

中医学『腎』

腎は寒さに弱いため、身体が冷えたり冬の時期に不摂生な生活を続けたりすると、機能が衰えやすくなってしまいます。

中医学(中国漢方)では、「腎」は身体の中で最も大切な臓器の一つで、広く生殖や成長・発育、ホルモンの分泌、免疫系などの機能を併せ持つ”生命の源“と考えられています

 

五臓の性質『腎』

腎:生命エネルギーを貯蔵して元気をもたらす。

 
陰陽五行説の相関図.五味
 

腎のはたらきで最も根幹的なものは、生命力です。

年をとってくると、白髪が増え、骨がもろくなり、耳が遠くなります。これは五臓の考えとして、生命力=腎が衰えていくからとされています。

生命力=腎が衰えると、他の内臓や器官のはたらきも落ちてしまいます。

逆説を言うならば、『腎』のはたらきを活発にする=生命力を増強する=食欲を旺盛にする、というところでしょうか。

アンチエイジングは食欲から

いかがでしょうか。『腎』の説明の通り、『腎』は生命エネルギーであり元気の源です。『腎』を元気な状態に保つためには食欲をある一定水準に保つことです。そうすることで老化による生理機能の衰退を食い止めることができます。

つまり、アンチエイジングにはまず食欲から、と言えるかもしれません。

すると、、、粗食でその食欲は満たせるのか、というところがポイントになります。

食欲を満たすのは環境

粗食でその食欲は満たせるのか、という疑問において先に結論を述べますが、粗食という食事の内容ではなく高齢者の食事でもっとも大切なことはきちんと食べられる食環境を整えることで食欲を満たすことができる、です。

東京大学の谷友香子氏の研究論文の発表で「高齢者の孤食の社会的背景および孤食が及ぼす健康影響に関する縦断的検討」というものがあります。

こちらの論文から一部引用します。

 

本研究結果より、日本人高齢者における孤食と食行動およびBMIとの関連を検討することができた。男性では独居で孤食であることが不健康な食行動および肥満のリスクとなる可能性があり、女性では同居していても孤食であることがリスクとなる可能性が示唆された。高齢化に伴う世帯状況の変化に介入することは困難であるが、家族や友人、近隣の人たちをまきこんで教職を推奨することや、自治体でコミュニティレストランを開催することは可能であるため、今後は孤食でなく教職を進めることが高齢者の食行動や体重管理に効果的かもしれない。
出典:「高齢者の孤食の社会的背景および孤食が及ぼす健康影響に関する縦断的検討」科学研究費助成事業データベースより

 
孤食とは、1人で食事を摂ることです。毎日1人での食事が続くと調理をする意欲が低下するだけでなく、同じメニューが続くことでの食事の偏りや、食事回数が減るということがあります。食事のバランスが崩れてしまえば、それがきっかけとなり低栄養になる可能性は十分に考えられることかと思います。

やはり、食欲は生命力であるということ

マズローの欲求5段階説というものがあります。アメリカの心理学者アブラハム・マズローが「人間は自己実現に向かって絶えず成長する生きものである」と提唱したものです。

その欲求5段階説のうち、一番最下層にあるものが第一階層の「生理的欲求」とし、生きていくための基本的・本能的な欲求(食べたい、飲みたい、寝たいなど)と定義しています。

食欲は生きていくための基本的・本能的な欲求です。食欲が旺盛だということは、生きたい、生命活動を続けたいという欲求の証明であり、元気であるということです。

高齢期に元気に過ごすためには、やはり、食欲、引いては、食い力(くいりき)が重要だということがよくわかります。そのためには、粗食であるよりは、きちんと食事バランスのとれた十分なたんぱく質と脂質が含まれる食事が、健康であるための秘訣、なのかもしれません。

 

体を動かすと消化機能の働きがよくなり、栄養の吸収もよくなります。また、適度な運動は、筋肉や骨をじょうぶにするためにも大切です。

しかし、身体の衰えは必ずあります。

それに伴って、食欲も衰えます。その結果、低栄養の状態に陥る可能性は誰しもあります。

低栄養は、急激に体調が悪化するような状態ではありません。しかし、栄養が満足にとれない状態が続くと、徐々に体に悪影響を及ぼすようになります。

自身もしくはパートナーが老いたからこそ、食事する楽しみ、そして食べることの重要さを再度強く意識してみてはいかがでしょうか。
 
 

本章では、粗食と健康についてをまとめておおくりしたいとおもいます。

ダイエットを目的とした粗食の話ではありません。

旬のものをおいしくいただくことは、とてもしあわせなことだと思います。春には春の旬のものを 夏には夏のものを、四季を食卓に取り入れて、本当の意味での粗食を楽しんでいただくための助けになれば幸いです。

 

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