6次化を活性化するためには、個人の力では無理です。自分の家族・親族だけで運営するのではなく、従業員を雇用した上での経営が必要になります。つまり、法人化による雇用です。そして、農作物と生産や収穫(1次)した後、工場(2次)や直営店(3次)といった箱が必要です。

雇用や店舗を用意するための経営資金や設備投資費用などで、多額の資金が必要になってきます。

この初期投資は大きな負担となることが考えられます。

大きな負担

「1+2+3=6」で6次産業化と呼ばれていますが、単なる足し算ではなく、有機的・総合的結合を図るという意味で「1×2×3=6」という意見もあります。こうした経営の多角化が、地域活性に繋がると期待されています。

そもそも、長年食品加工や流通販売しているプロの2・3次産業事業者が存在します。そのような事業者を相手に、素人である農林漁業者が2・3次産業に参入することになるのですから、そう簡単に成功しないことは容易にわかります。

したがって、農林漁業者は、リスク管理・投資に対する責任も持つことになります。

原料の保存

意外と(?)見落としがちになりますが、大切な設備なので説明していきたいと思います。

皆さんは、どんな農産物が加工に回ると思いますか?

まあ、想像通りかと思いますが、加工されるのは規格外品です。しかも、加工されるのは収穫時期ではありません。いわゆる、閑散期に加工を行います。廃棄量を減らし、農閑期に加工作業を集中化させるためには原料を一旦ストックしなければなりません。つまり、ストックするための倉庫が必要になってくるわけです。

これ、けっこうな投資額になります。

何も加工用の工場のような設備だけが加工に必要な設備ではありません。

原材料のストック用の倉庫、完成品の出荷待ちの商品のストック用倉庫と、保存するための倉庫の設備が必要です。しかも、それが冷蔵や冷凍用となれば、電気代やメンテナンスなど、ランニングコストも発生します。

加工場

そしてそして、何よりも販売のための食品を調理する加工場です。

これは何も農産加工品に限った話ではなく工業製品にも言えることですが、売れるか売れないかも分からない段階で、加工場を投資しなければならないというのは、大変なリスクです。

まずは委託製造が無難ですよね。

 
 

加工・製造などを行い販売されている食料は、本当に安全なものなのか食の安全性が問われるような事件がおこっている中で、6次産業は、作り手が販売まで手掛ける為生産者の事がわかる為、信頼性が高く安全性が高まる事が期待されます。

とは言え、6次産業化以外に、原料生産・商品加工・営業販売まで全て行う業者など存在するでしょうか。

もしそれでビジネスモデルが確立されていれば、すでに多くの事業者が参入していてもおかしくありません。結果はすぐには出ません。長いスパンで粘り強い取り組みが必要であることが分かります。

6次産業化をブームで終わらせるのではなく、きちんと【6次産業】としての枠組み、そして地域社会のための経済を創る産業として活用することが大事です。

 
 

農作物を使ってスイーツやジュースなど、作ってみたいものをイメージしてみましょう。自分自身が心から熱意を注げる商品をイメージするのです。
そして、最初のうちは、すべてを自分でやろうと考えてはいけません。まずは、人の力も頼りながら、小さくスタートするのが基本です。

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