こんにちは。食育コンサルタントのベルディアです。
報道される菓子類の偽装に日付の改竄(かいざん)が多い印象があると思いませんか。
賞味期限・消費期限切れの商品に張ってあるラベルを剥がし、期限内のラベルに張り替えて販売する、など。
少し論点がずれるかもしれませんが、飲食店の継続は利益の確保が最重要な課題として、どの飲食店オーナーも最大限の意識を傾けています。
生モノを扱う飲食店では食材の管理において、過発注で食材ロスや腐敗したものを提供することによる食中毒・食品事故を防止するためにも手を抜いてはいけません。
これは、6次産業化に取り組もうとする農家さんも、意識は全く同じ、もしくはそれ以上でなければなりません。
食品リスクの最大は食中毒
食品リスクとは、飲んだり食べたりしたことで健康をどの程度害するかを数値化して管理するものです。リスクのあり・なしで話をするものではありません。
食品リスクの中で圧倒的に大きいのは、不衛生による「食中毒」です。腸管出血性大腸菌、ノロウィルス、腸炎ビブリオ、サルモネラ菌、黄色ブドウ球菌など。
白菜の浅漬け食中毒事件
平成24年に北海道で8人が死亡したO157の集団食中毒は白菜の浅漬けが原因だったこの事件を記憶している方も多いのではないでしょうか。
事件その後に実施された厚生労働省による浅漬け製造施設の立ち入り調査では、5476施設のうち9割が殺菌工程や記録の不備などで指導を受けています。
なお、この北海道の食中毒事件においての原因としては、殺菌時の薬剤投入を目分量で行っていたため適切な殺菌が行えていなかった、ということが報告されています。
この原因分析が示すことは製造工程による衛生管理ですが、製造後にどのように食品を管理するかはさらに重要です。
期限内で販売できるか
食品の在庫管理は期限内で販売できるか、とにかく、この観点に尽きます。
工業製品であれば、ある一定期間の保管は、食品に比べると可能です。
しかし、食品はそのようにはいきません。食品の在庫管理は特に厳しく行う必要があります。
食品は腐敗しやすく賞味期限、消費期限が短く設定されることがあるからです。売りたいからと大量に仕入れたとしてもそれが消費期限以内に売れなければ売れない分はすべて損失に変わります。
また、食品と工業製品にも共通していえることが、季節的な要因などがあるとういことです。
工業製品の代表例がエアコンですね。
とにかく慎重に行う
食品の在庫管理は、衛生上の問題が大きくのしかかってきます。だからこそ、食品の在庫管理は徹底しなくてはなりません。
最適な温度管理
食品を適切な場所に保管するのは当たり前のことですが、それだけではありません。
最適な温度管理で保存が大切なことになります。
一般的に、冷蔵・冷凍庫内の温度は、原材料・製品等の保存温度の最も低い温度より低くなるように、冷蔵庫は5℃以下、冷凍庫は-20~25℃程度に温度設定をしています。
使用期限
密封される食品を扱い際に、皆さんは使用期限をどのくらい意識していますか?
食品の発注の基本は、一度で使い切れる量です。家庭と職場(食品加工場、飲食店など)では、その基準は大きな隔たりがあって当然です。
在庫食品は、適切な保存場所・温度などを厳密化することにより品質が保たれ、安全な食事を提供することにつながっていきます。
どこまで、の限界はない
農家は元来、自分たちで生産した小麦や大豆などを利用して味噌や醤油、乾燥食品などを自給自足していました。つまり、6次産業化の下地となるものはあるはずです。
食品を販売するまでに必要な産業は以下の3つに分類されています。
1次産業:生産(農畜産物、水産物などの原材料)
2次産業:加工(食品加工産業)
3次産業:流通・販売・サービス
このことから、農家さんに足りないのは3次産業だと捉える向きがあるのも否めません。
しかし、これまで6次産業化のデメリットを複数回にわたって述べてきたように、その課題は多岐にわたります。
本日の記事題目にある在庫の管理。
上述のとおり、如何にして管理するかのその重要性。O-157に代表される食中毒などの問題が起きたときの重大性。
6次産業化を行うためには、工場・販売までの仕組みを整えるため、大きな投資が必要です。その大きな投資を行ったとして、もし売れなかったら全て水の泡になります。
さらに、食べ物には賞味「期限」があります。「期限までに・一定量を・安定して」売り続けることは、企業でもかなり難しいことです。
そのような観点からも、本当に農家さんが6次産業化をビジネスとして成り立たせるには、まだまだその課題は今以上にもっと真剣に取り組まなければならいのではないか、私たちはそのように感じています。
農作物を使ってスイーツやジュースなど、作ってみたいものをイメージしてみましょう。自分自身が心から熱意を注げる商品をイメージするのです。
そして、最初のうちは、すべてを自分でやろうと考えてはいけません。まずは、人の力も頼りながら、小さくスタートするのが基本です。
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