ここでお伝えしたいことは、データはすでに過去になっている、ということを忘れてはいけないということです。そして、データから見えてくる「何か」を言葉にしてほしいと願っています。そして、その言葉から戦略を立ててほしいと思っています。
こんにちは。食育コンサルティングのベルディアがお届けするテーマ【マーケティング戦略はキーワードで生み出す】です。本日もどうぞよろしくお願いします。
リレーションシップ
「ロイヤルカスタマー」という言葉を耳にしたことがあると思います。
ロイヤルカスタマーというのは、企業の商品・サービスに愛着があり、またそのファンであるため繰り返し購入してくれたり、周囲にも紹介してくれる顧客を指します。
この「ロイヤルカスタマー」を獲得するためのマーケティング戦略として、リレーションシップ・マーケティングというものがあります。
リレーションシップ・マーケティングとは、「顧客1人ひとり」を把握することを前提に展開されるマーケティングです。1人の顧客に何回買ってもらうかを重視する戦略とか、リピーター戦略といったような理解をするとイメージしやすいかもしれません。
ロイヤルカスタマーというのは、購入金額の大きい顧客とはイコールにはなりません。不満足でありながら他の選択肢がないために契約を継続する場合だってありえます。
携帯電話が良い例ですね。
今のスマートフォンはパソコン並み、機種によってはパソコンよりも高価な値段が設定されています。それを2年契約、分割支払いという契約のもと途中解約料を設置して他への流動を心理的にも金銭的にも縛りを設けています。
少々逆説的な表現をすれば、購入金額の多少にかかわらずロイヤルカスタマーとして顧客をつなぎとめることは十分に可能なのです。
それが、今回のテーマである「参加」です。
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敷居の低さ
何事にも新しいところへ「参加」するには勇気がいるものです。
その勇気が少しでよいもの、つまり、敷居の低さが「参加」する気持ちを大きくする事ができます。
2017年、渋谷と六本木での大規模なあるイベントがテレビで報道されました。
10月31日のハロウィンです。
ハロウィンがこれほどまでの盛り上がりを見せるようになったのは、コスチュームを扱うアパレル業界が牽引したこともその一因としてあるのはもちろんですが、何よりも、「仮装すればだれでも参加できる」という敷居の低さです。
コスプレがひとつの文化になっていたり、秋葉原に行くとメイド服をきたメイド喫茶があるように、コスプレをやってみたいけど、なかなか人前でする勇気がない人達が、「赤信号みんなで渡れば怖くない」的心理により仮装に対する勇気の敷居は限りなく低いです。
そして、FacebookやTwitter、InstagramなどSNSのタイムラインによるコミュニケーションのためのSNSもまた、その敷居を低くする要因となっています。
現代は、メディアではなく個人が情報を発信する時代です。SNSでのシェアが自己表現に直結します。
様々な要因が絡みますが、敷居を低く設定することが「参加」を促し、ひいては、ロイヤルカスタマーへ導くことが可能となります。
会いにいける
「参加」がキーワードとなるリレーションシップ・マーケティングで真っ先に例示するのが、AKB商法です。
いつの時代もアイドルというのは憧れの存在です。
一昔前ですと、「キャンディーズ」、「ピンクレディー」、「おニャン子クラブ」、そして1990年から2000年初頭にかけては「モーニング娘。」など。多くの女性アイドルが活躍していましたし、アイドルに夢中になっているのは男性も女性も大勢いました。
そして、AKBはこれらのアイドルたちと決定的に違うコンセプトを打ち出しました。
アイドルに「会いに行ける」ということです。
高根の花とも表現される中々手の届かない存在となるアイドルと直接会話ができ、さらには握手というかたちでアイドルたちに会いに行けるという「参加」型マーケティング戦略は、CDの購入やコンサート、グッズの購入にとどまることなく「ロイヤルカスタマー」を構築したリレーションシップ・マーケティングとして大当たりしました。
世界最高のエンターテインメント
2015年10月に過去最高の月間175万人を集客し、名実ともに集客数日本一のテーマパークになったユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)。
なぜUSJがこれ程までに好調なのか。
そこを紐解く前に。
USJのサブタイトルともいえるスローガンをご存知ですか? 公式サイトをご覧になってください。USJのロゴにはなんと記載されていますか?
そこには、このようにあります。
世界最高を、お届けしたい。
このスローガンを現実のものとすべく、実践されたマーケティング戦略の代表例を挙げていきます。
これらの実践されたマーケティング戦略のその先には、来園者の「参加」に行きつきます。
このUSJの仕掛け人はCMO(チーフマーケティングオフィサー)の森岡毅氏です。(※2017年に退職)
最後に、森岡氏のコメントを引用します。
映画というフォーマットにこだわってブランドを作るのではなく、エンターテイメントの原点である「感動」にこだわってブランドを作りたいと考えたのです。
このパークを、「映画の専門店」ではなく、映画も含めて「最高の感動を届けるブランドを世界中から集めたセレクトショップ」にしたいと考えるようになりました。
セレクトショップに足を運ぶ、つまり、「参加」することで世界最高のエンターテインメントを体感できる、それがUSJです。
なんとも素晴らしいマーケティング戦略ということがよくわかります。
これからの時代は何も広報担当者や宣伝にかかわる企業・事業部だけではなく、経営者、技術者、営業、人事や総務担当者に至るまで、マーケティングに関係する意識は、これまで以上に重要な要素となってきます。
この記事がマーケティングとしてではなく、スキルとしての「マーケティング活動」を組織として取り組んでいただける一助になれば幸いです。
本章では少しでも「マーケティング活動」というものは非常に身近な存在であり、企業や部署に関係なく自分自身に役に立つスキルだと、そうのように思ってもらえるような記事をお伝えしてまいります。どうぞ、参考にしていただければと思います。
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