これまで7回にわたってお伝えしてき本シリーズも今回が最終回です。「価値」を伝える魅力あるストーリー仕組みの作り方を読み進めていただきありがとうございます。

最終回の今回は、利用者の新しいライフスタイルを提案する、です。

利用者の未来を描き、利用者に付け足してもらう

そもそも、「ライフスタイル提案」って何でしょう?

人は、外側と内側の影響を受けて行動すると言われています。

外側と内側

外側:その人が置かれている環境
内側:その人がもつ感情や意思

「ライフスタイル提案」とは、その利用者がどのようなシーンで自社の商品・サービスを利用するのか、その具体的なイメージの未来像を提案することです。つまり、外側の影響を利用者に伝える、ということです。

幅を拡げる、という言葉があります。

これは何もモノとしての大きさを意味する言葉だけではありません。

「ライフスタイル」=「生活様式」、ですから、生活様式の幅を拡げるお手伝いとなる提案をする、利用者が自社商品・サービスを利用することによって、どのように生活様式の幅が拡がるのかを提案するのです。

そして、実際に利用された利用者は、その感情を表現します。それが、付け足し、です。

「ライフスタイルの提案」の具体例:シェアリング・エコノミー

物溢れの時代です。百貨店などのセレクト商品、手頃なファストファッションや、値段以上の価値は感じさせるが安物の家具。そんな現代ですが、本人が所有せずとも利用することができるシェアリングエコノミーという概念があります。

総務省のホームページから、その意味を少し引用します。

1 シェアリング・エコノミー―ソーシャルメディアを活用した新たな経済
(1)シェアリング・エコノミーとは
「シェアリング・エコノミー」とは、典型的には個人が保有する遊休資産(スキルのような無形のものも含む)の貸出しを仲介するサービスであり、貸主は遊休資産の活用による収入、借主は所有することなく利用ができるというメリットがある。貸し借りが成立するためには信頼関係の担保が必要であるが、そのためにソーシャルメディアの特性である情報交換に基づく緩やかなコミュニティの機能を活用することができる。シェアリング・エコノミーはシリコンバレーを起点にグローバルに成長してきた。PwCによると、2013年に約150億ドルの市場規模が2025年には約3,350億ドル規模に成長する見込みである(図表4-2-1-3)。
出典:総務省|平成27年版 情報通信白書|シェアリング・エコノミーとは

 
より自由で便利なライフスタイルの実現を目指す人々に向けた雑誌『シェアリングスタイル』という本をご存知ですか?シェアによって、生活が豊かに変化した複数の事例を紹介しています。

この「シェアリング・エコノミー」からライフスタイル全体を根本から見直す人々がいます。それを紹介しているのが、『シェアリングスタイル』という本です。

それが何か。

これこそが、「ライフスタイルの提案」です。新しい価値を提供し利用者の未来を描いた一つの例です。

これまで私たち消費者はモノを占有することでその価値を受け取っていました。

「シェアリング・エコノミー」はまったく逆の発想です。

あの人が持っているモノ、私が持っているモノは異なっています。それらを共有することでより価値のあるライフスタイルにしていきましょう、という概念は、これまでのモノを占有する、から、共有する、という真逆の概念のライフスタイルです。

それをうまく提案し、そして、利用者が付け足した結果が、『シェアリングスタイル』という本で紹介されているわけです。
 
 

では、どのようにして「ライフスタイルの提案」を行うのか、今からその実践ステップをお伝えします。

ステップは多くありません。たったの3ステップです。

思ったより簡単でしょ?(笑)

では、早速説明を始めます。

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「ハマる」:その気にさせるが最終目標

ご自身の子供時代を思い出してみてください。

鬼ごっこ、ドッヂボール、サッカー、野球、ラジコン、ファミコン、ゲームボーイ、などなど。いわゆる、「ハマる」体験をしたことが一つや二つ、ありませんでしたか?

これが、「ライフスタイルの提案」の最終ゴールです。

利用者をその気にさせて、そのライフスタイルに「ハマる」。提案する側も利用する側も、まさにWIN-WINの関係です。

ステップ1:導入

まずはなんといっもて興味を引くことです。
見てみたい、触ってみたい、やってみたい、といったように、「やりたい」と思わせる興味を引くことが何よりも重要です。

ステップ2:インセンティブ

次に、インセンティブ(=動機付け)です。やる気を起こさせる・目的を達成させるための刺激と表現されることもありますね。わかりやすいものでたとえると、給料(金銭的なサラリー、ボーナス)です。
インセンティブによって人は動きます。人をやる気にさせるための1つの効果剤であるインセンティブ。もちろん、その効果剤はお金だけではありません。

  • 評価的インセンティブ:心理的評価と地位的評価など、行動の結果が評価されるインセンティブ
  • 理念的インセンティブ:共感や社会貢献などで効果が得られるインセンティブ
  • 自己実現的インセンティブ:望んでいることが実現していく夢や希望などのインセンティブ
  • ステップ3:他者への共有

    自分が心惹かれるモノに出会った時、”モノそれ自体”の魅力を伝えようとしてしまいます。いたって普通ですよね。自分のお気に入りの何かを人に伝えて、また別の人がそれを気に入ってくれて。
    そこまではいいんです。手順ノウハウとしてはそこじゃないです。
    「あの人はどうして自社商品・サービスを好きになったのか?」これを徹底的に考えなければならないのです。
    そうすれば、誰かが「好き」を共有するときに、その理由を添えてくれたりします。

     
     

    ビジョンのストーリーを組み立てる

    言葉の意味を定義した後は、その言葉でストーリーを組み立てます。これが、ビジョンになります。

    心に響く、役立つ言葉は様々な共鳴を呼びます。それが価値となります。

    使命・存在意義(ミッション)、信念・価値観(バリュー)、行動指針・行動規範(ウェイ)、目指す姿・目標(ビジョン)。

    「価値」を伝える魅力あるストーリーをつくるには、一つ一つの言葉に上記のような要素を含んだ意味を持たせなければなりません。

     

    新しいライフスタイルの魅力を伝えるストーリー

    今、自分たちが開発している商品など、世に出すサービスの新規性が高ければ、既存の常識の中で暮らす人々に対して新しいライフスタイルの魅力を伝える必要があります。インターネットやスマートフォンなどは、まさにその代表的なサービスといえるのではないでしょうか。

    その魅力を伝えるのがストーリーなのです。

    ストーリー性のあるアプローチが現代を生きる私たちのその先のビジョンをプロトタイプしてくれるわけです。このように、ビジョンを構築しビジョンを目指す上で様々な製品が開発され、市場の中でサービスが作られていくことで新しいライフスタイルが確立されていくのです。

     

    本章ではこの新しい企業と消費者を結びつけるサービスの考え方、構築方法について紹介してきました。これが最終回です。

    この「価値を伝えるストーリー」シリーズが、皆様の自社商品・サービスが一人でも多くの方にその「価値」が伝わるお手伝いになれば、幸いです。

     
     

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