私たち一般消費者がイメージする「食の安全」は、実は、心理的な判断による「食の安心」に近いです。本来、「食の安全」はすべて数値化されて管理されています。

食品リスクとは、飲んだり食べたりしたことで健康をどの程度害するかを平均した値のこと。大きいものから小さいものまで様々です。

なぜ安全性が疑問視される添加物が使い続けられているのだろうか。

食品添加物と聞けば、そのような疑問が出てくる人は少ないありません。ただ、食品添加物から完全には逃れることはできないのが実情です。私たちが普段食べている食品にはどのようなものが入っているのか、それらをお話ししていきたいと思います。

食品添加物との上手な関わり方

食品添加物は多くのメリットもありますが、極力避けたいものです。

では、何が食品添加物であって、何が違うのか、というところ。

一番わかりやすく端的に述べると、「家の台所にないもの」はほとんど添加物と考えてよいと思います。

どうですか?

わかりやすでしょ!?(笑
 
 

まじめな話に戻して、、、

まず、「食品添加物=悪」ではありません。食品添加物のおかげで、長持ちしたり、生産コストを抑えたりすることができ、その結果、安い値段で買うことができます。

何事にもメリット・デメリットはあります。しかし、デメリットを上回るだけのメリットを享受できるものは残ります。

食品添加物も然りです。食品添加物のデメリットですが、様々な病気やアトピー、アレルギー症状などを引き起こすとされています。

過去安全だと言われていたものが今使用禁止になっているものがあるのは事実として存在しますし、安全だと言われているもの同士掛け合わしたら有害物質になるということもあるのも、これも事実です。

食品添加物のキャリーオーバーを知る

食品にはいろいろの原料が使われます。この原料の中に入っていた食品添加物は最終食品に残ってきますが、その量がきわめて少なく、当然その添加物としての効果も発揮しないような場合があります。これらの原料より持ち越された添加物のうち、表示を免除されるものをキャリーオーバーといいます。

<< キャリーオーバーの条件 >>
次の両方に該当すれば、加工食品への表示義務はなくなります。

  • 原材料の製造時にだけ使われていること。
  • 原材料に使われた添加物が出来上がった加工食品に対して、その効果を発揮しない量であること。
  • 加工の仕方によっていくらでも表示免除にすることができるため、食品メーカーにとって便利です。

    つまり、、、、

    1つの加工食品を食べると実際に食品の裏に書かれた添加物以上のものを口にいれることになるということです。

    キャリーオーバーという表示免除があるということを知っているといないのでは、添加物が体に入るまるで量が違ってくると思います。そして日頃から加工食品の利用を控えることが重要です。

    具体例を一つ。

    商品の裏面にある原材料表示をご覧になられたことはありますか?その中に、「昆布エキス」、「チキンエキス」といったような「~~エキス」の文字が記載されていることがあるかと思います。

    この、昆布エキスやチキンエキスなどは、昆布やチキンなどをお湯で煮立てて、含有成分を濃縮したものです。この工程において添加物の調味料や保存料などが使われていた場合、最終食品に調味料や保存料が残っていた場合には原材料名欄に「調味料」、あるいは「保存料」と表示しなくてはなりません。

    ところが、メーカー側が、「残ったそれらの添加物は微量で効果を発揮しない」と判断すれば、キャリーオーバーということで表示されないことになります。

    そのため、消費者が原材料名欄を見て判断するのはほぼ不可能な話ではないか、そのようにみてよさそうです。

    安いものには理由がある

    繰り返しますが、まず「食品添加物=悪」ではありません。食品添加物のおかげで、長持ちしたり、生産コストを抑えたりすることができ、その結果、安い値段で買うことができます。

    そう。消費者が安い値段で商品を購入できるようにするために、食品メーカーの方々は食品添加物を使用して生産コストを抑えているのです。

    食品が安くて簡単に食べられて、便利でキレイ、おいしい。これらは添加物のおかげであることは事実です。

    自動車、家電製品、パソコンといった耐久消費財は、安い方がそのお得感はすごく恩恵を受ける印象が強まります。しかし、「口にする物」は安いよりも、どちらかと言えば安全の方が良くないですか?

    価値観はそれぞれだと思いますが、安いものには理由がある、添加物を単純に拒否するのではなくどこまで許せてどう付き合っていくのか、ということを考える時間をとってみてはいかがでしょうか。

     
     

    天然100%、無添加、自然派、安心安全という言葉が散りばめられていたとしても、小さな文字で「キャリーオーバーは含まれません」と表記してある商品が実在します。

    技術と努力で、正直に安心安全な化粧品を製造販売されているメーカーもたくさんある中で、キャリーオーバーを巧みに利用するメーカーが存在することを忘れてはいけません。
     
     

    そして、食品添加物は、物質名をすべて表示することが原則ですが、表示ルールにより、物質名でない名称が表示されていることがあります。それが、「一括名表示」です。

    次回は、この「一括名表示」についての記事をまとめてお話しをしたいと思います。

    どうぞ、よろしくお願いします。

     
     

    調味料に限らず、「安全」と決めつけるのではなく、どのようなリスクが潜んでいるのかの正しい知識を、論拠ある文献から吸収して、あまり神経質になることもないと思いますが、添加物を気にしてます、くらいの感覚で食事を楽しんでいただければと思います。

    私たち一般消費者がイメージする「食の安全」は、実は、心理的な判断による「食の安心」だったということがわかりました。

    本章では、食の安全に関する基礎知識をまとめていきたいと思います。どうぞ、参考にしていただければと思います。

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