私たち一般消費者がイメージする「食の安全」は、実は、心理的な判断による「食の安心」に近いです。本来、「食の安全」はすべて数値化されて管理されています。

食品添加物もそうです。農薬や食品添加物などの意図的に食品に用いる化学物質に発がん性の疑いがある場合には、その使用を禁止しています。しかし、数値化されて管理されている食品添加物ではあrますが、インターネットで添加物について調べると、「発がん性がある」「腫瘍ができた」「~の吸収を阻害する」といった情報が大量に出てきます。

それはなぜか。

一つとして考えられているのは、情報が正しく伝わっていない、ということが言われています。

過剰摂取はなんでも毒

どんな物質でも、大量摂取すれば、必ずなんらかの害が出ます。

たとえば、水や塩。

過剰の水分摂取によって生じる中毒症状「水中毒」は、低ナトリウム血症やけいれんを生じ、重症では死亡に至ります。この過剰な水分摂取は、誤った知識に基づくダイエットや大量の水分補給が原因という報告も一部にあります。(出典:『日本内科学会雑誌』)

次に塩。

塩分の過剰摂取が続くと、ナトリウムを排出するために血液内の大量の体液交換が行われ、血圧の高い状態が続くとされています。そしてその結果として高血圧になると考えられています。血圧が高い人ほど心臓血管系の病気になりやすく、しかも死亡率が高いと言われています。(出典:国立循環器病研究センター)

そして、食品添加物。

ソルビン酸、ソルビン酸K(カリウム)という食品添加物があります。これらは、細菌やカビの発生・増殖を抑える働きがあるため腐敗防止として多くの食品に使われる保存料です。

食品安全委員会の評価結果から、ソルビン酸グループの1日摂取許容量(ADI)を25. mg/kg/日とされています。成人で60kgの体重の人ならば、1500mgが許容量となります。

ソルビン酸がよく使われるハムやチーズといった食品の場合、ハムでおよそ50g、チーズで500g程度が一日あたりの許容量と言えます。(出典:厚生労働省行政情報 添加物使用基準リスト)

ちなみに、「一日摂取許容量(ADI)」とは、一生、毎日食べ続けても健康に影響のない量で、食品添加物のほか、残留農薬の基準値にもなっています。

あなたは死ぬまでの一生のうち、毎日ハムを50gも食べ続けますか?

このように、具体的な摂取量をきちんと理解もしくは情報を入手したうえで、「水や塩は毒だ」と言っていますか? 「ソルビン酸は発がん物質に変化する」と発言していますか?

インターネット上の情報を鵜呑みするのではなく、きちんと正しい情報を入手してご自身で判断できるようにすることが、健康のためによさそうですね。

食品添加物は危険ではない

食品添加物は、消費者が適正に保存し、食中毒のリスクを下げ、安全な量の範囲内で使用されています。

ソルビン酸~~、増粘剤、pH調整剤など、耳慣れない成分が食品表示欄に記載されていれば、感情的に反応して「怖い」「危ない」と論じるのはどうでしょうか。

消費者として正しい反応と言えるでしょうか。

発がん性があると疑われている添加物とは

日本では認められていても、外国では使用が禁止・制限されている添加物が多数あるのも事実です。

たとえば、国際ガン研究機関(IRAC)は、2015年10月に「ハムやソーセージなどの加工肉を1日50グラム以上摂取すると、大腸がんのリスクが約18%上がる」という見解を発表しました。ちなみに牛肉、豚肉、羊肉といった赤身肉についても、毎日100g食べると大腸がんのリスクが17%増すとも言われています。

赤身肉100gというと、標準的なハンバーグ1個分くらいでしょうか。食べますよね?100gのお肉。毎日。

それと、加工肉による大腸がんのリスクがほぼ同水準って。。。

食品添加物が含まれる加工肉云々の話ではなく、つまるところ、赤身肉そのものに大腸がんリスクがあったりしないのでしょうかね。

 

このように、ある数字、ある言葉、ある情報のみが独り歩きすることで、間違った情報があたかも正しい情報かのように流れてしまうことがあります。

インターネット上の情報を鵜呑みするのではなく、きちんと正しい情報を入手してご自身で判断できるように、普段の生活の中において、情報リテラシーを高くもつことが重要なのかもしれません。

 
 

調味料に限らず、「安全」と決めつけるのではなく、どのようなリスクが潜んでいるのかの正しい知識を、論拠ある文献から吸収して、あまり神経質になることもないと思いますが、添加物を気にしてます、くらいの感覚で食事を楽しんでいただければと思います。

私たち一般消費者がイメージする「食の安全」は、実は、心理的な判断による「食の安心」だったということがわかりました。

本章では、食の安全に関する基礎知識をまとめていきたいと思います。どうぞ、参考にしていただければと思います。

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