うつ病と食品添加物の関係について、今回が第4回目です。

第1回:食品添加物と上手に付き合う

第2回:セロトニンと食事

第3回:うつ病と食品添加物「グルタミン酸ナトリウム」

アスパルテーム

ほとんどのダイエット系の砂糖ゼロ、カロリーゼロ製品に使用されるアスパルテーム。
よく使われている商品は、

・ダイエット製品全般

・低カロリー飲料全般

・低カロリー加工食品全般

・ガム

・薬(子供用シロップ系の薬)

・トクホ全般(特定保健用食品)

です。

アスパルテームは、砂糖の200倍の甘さを持つ言われる人工甘味料です。アルパルテームのカロリーは砂糖と同じで1グラムあたり4キロカロリーぐらいとされています。

カロリーが同一であったとしても、その非常に強い甘みのため、砂糖に比べて使用量がは200分の1で済みます。結果的にカロリーを抑えることができます。ダイエットや低カロリーの製品に使用されてるのは、このためです。

ドーパミン

アスパルテームは、アスパラギン酸とフェニルアラニン等から構成されています。

フェニルアラニンは、食事から栄養分として摂取しなければならない必須アミノ酸のひとつで、興奮性の神経伝達物質をつくり出し、精神を高揚させ、血圧を上げる作用や、記憶力を高める効果などを持っています。

この興奮性の神経伝達物質が、「ドーパミン」です。

ドーパミン(英: dopamine)は、中枢神経系に存在する神経伝達物質で、アドレナリン、ノルアドレナリンの前駆体でもある。運動調節、ホルモン調節、快の感情、意欲、学習などに関わる。セロトニン、ノルアドレナリン、アドレナリン、ヒスタミン、ドーパミンを総称してモノアミン神経伝達物質と呼ぶ。
https://ja.wikipedia.org/wiki/ドーパミン
ドーパミン – Wikipedia

フェニルアラニンを過剰に摂取した場合、脳細胞を過剰に刺激し 場合によっては死に至る興奮性毒であるとされています。

中毒性?

インターネットでしばしば散見される人工甘味料と中毒性に関するお話しの数々。それらを検証してみたいと思います。

人工甘味料は、一説にはコカイン以上の強い依存性があるとされています。摂り続けるほどに人工甘味料から抜け出せなくなる可能性があると言われています。ただ、その中毒性に関する詳しい論文を見つけることができませんでした。

インターネット上の情報は、おそらくはどこかの論文ないし研究結果からの話をまとめたものだと思うのですが、当方ではそれらを見つけるに至りませんでした。ただ、検索する過程で、興味深いものを見つけましたので、まとめたいと思います。

フェニルケトン尿症

アスパルテームで最も問題なのは、フェニルケント尿症だと言われています。

アスパルテームとは1965年にアメリカで生まれました。製薬会社GDサール社です。

甘味料を目的に生まれたわけではなく、胃潰瘍の薬を開発中に偶然ある化学物質が強力な甘みを持っていることを発見したことから注目され、研究が始まったといわれています。

アスパルテームにはひとつ注意点があり、フェニルアラニンという成分が含まれているため、フェニルアラニンを体の中で代謝させることが出来ないフェニルケトン尿症という病気があります。

フェニルケトン尿症の患者が口にしないためにも、商品にアスパルテームの記載をするときはアスパルテーム-Lフェニルアラニン化合物と表記する事が義務付けられています。

以下、内閣府の食品安全委員会が公開している情報から、一部を引用して紹介します。

アスパルテームの安全性について他の規制機関や専門家委員会で検討されているか。
 アスパルテームは非常に広範囲にわたって研究されている添加物である。食品添加物に関するFAO/WHO合同食品添加物専門家委員会(JEFCA)は、1980年にアスパルテームについて評価を行い、40mg/kgのADIを設定した。

フェニルケトン尿症(PKU)は、アミノ酸であるフェルニルアラニンをチロシンに変換させる代謝酵素の欠損を特徴とする遺伝性疾患である。この酵素が欠損するとフェルニアラニンが蓄積する。もし治療されないままに放置しておくと、脳の発達障害を引き起し、精神遅滞、脳損傷、脳卒中に繋がる可能性がある。フェニルケトン尿症の患者は、食事を介してフェニルアラニンを調整し、薬物治療と合わせて管理出来る。フェニルケトン尿症患者は、少なくとも最初の16年間においては低フェニルアラニンの食事を遵守する必要がある。そのためには、肉、チキン、魚、卵、ナッツ、チーズ、豆類、牛乳及び他の乳製品などたん白質の高い食品を制限することが必要となる。人工甘味料が使用された食品及び飲料はフェニルアラニンに分解されるアスパルテームを含んでいるために、フェルニルケトン尿症の人に対する注意喚起として表示義務が導入された。

神経伝達物質の機能低下

精神疾患を中心にこころの診療所など専門の医療機関のバックアップのもと情報を提供している「サイコセラピー研究所」より、引用します。

うつ病とセロトニン
うつ病は、その原因を基準として、いくつかのタイプに分類されます。アルツハイマー型認知症などのように脳の障害や身体の病気を起因する外因性/身体因性のうつ病、抑うつ神経症などの心因性/性格環境因性のうつ病、そしてうつ病性挿話とも呼ばれる内因性のうつ病です。セロトニンは、この内因性うつ病の薬物治療に効果があるとされています。

脳内のセロトニンが増えれば、うつ病の改善にも役立つ
うつ病の原因は、現在、すべてが解明されているわけではないのですが、最近の研究では、脳内の神経細胞の情報伝達にトラブルが生じているという説が有力になってきています。
この伝達を担うのが先に述べた神経伝達物質です。中でも、セロトニンやノルアドレナリンといわれるものは、人の感情に関する情報を伝達する物質であることが分かってきています。

 
アステルパームのフェニルアラニンという代謝の産物は、アミノ酸の一種で、セロトニンやドーパミンといった神経の伝達物質をつくるチロシンやトリプトファンの脳への輸送を妨害します。

これらが脳へ運ばれないと、セロトニンやドーパミンが低下し、うつや不安、睡眠障害や疲れなどの症状が現れます。

アメリカの American Academy of Neurology が公開している情報によると、2013年の研究論文に、50~70歳の中高年の方の人工甘味料を使った清涼飲料水の消費とうつ病の発生を調査したところ、人工甘味料入りの清涼飲料水を飲んでいた人は飲んでいない人に比べて、うつ病の発症のリスクが30%と高かった、(※引用ではなく本文を当方が意訳しています。) というものがあります。

ただし、人工甘味料とうつ病には相関する点があるという論文はありましたが、「人工甘味料がうつ病を引き起こす」という結論に結びつくには、論拠が足りません。

そのため、関連性は全くないとは言い切れませんが、人工甘味料の代謝物質がセロトニンに悪影響を及ぼす可能性がある科学的根拠は現時点では存在しておりません。
 
 

人工甘味料とうつ病の関連性は、その膨大な原因のうちのたった1つの可能性にすぎません。「人工甘味料とうつ病」に仮説をたてて研究機関の各所が様々に研究をしている、という事実を、なぜそのような仮説に至ったのかといういきさつなど、そういった点にこそ、我々消費者は注意を払うところなのかもしれませんね。

 
 

調味料に限らず、「安全」と決めつけるのではなく、どのようなリスクが潜んでいるのかの正しい知識を、論拠ある文献から吸収して、あまり神経質になることもないと思いますが、添加物を気にしてます、くらいの感覚で食事を楽しんでいただければと思います。

私たち一般消費者がイメージする「食の安全」は、実は、心理的な判断による「食の安心」です。

本章では、食の安全に関する基礎知識をまとめていきたいと思います。どうぞ、参考にしていただければと思います。

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2 Responses

  1. ゼロコーラが出た頃、中学校で全校の生徒の父母に集まってほしいと召集がかかりました。
    初めに、保健室の先生より、『頭痛を訴えて保健室に来る生徒が増えた。健康に気をつけてほしい。』私が出始めのゼロコーラを飲んで2日後、頭痛と吐き気で2日半寝込んだことをおもいだしました。
    そのあと、担当の先生より、『生徒がチャイムが鳴っても席に着かない。授業中に、うろうろと立ち歩いたり、クラスの端と端の生徒が大声で話し、授業の妨げになる。今までに無かった事が起きている・・。』これについては、その時は理由がわかりませんでしたが、
    『本当はこわい人工甘味料』という、アメリカ人が書いた本に、『アスパルテームは4分の1の人が認知症になるの危険性がある。アスパルテームを製造するようになった日本人は気を付けなさい。』と、あります。
    中学生がゼロコーラを飲んで、少し認知症傾向が出たように思いますが・・。私も得意だった計算が、なかなかできなくなりました。

    • こんにちは。
      まだまだ研究途上にあるようですが、少なくとも違和感を覚えながら食品を召し上がっている方は一定数いるようですね。
      できるだけ、台所にあるもので調理し食事を摂れるようにしたいものですね。

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