こんにちは。食育コンサルタントのベルディアです。

本日の記事はマクロビオティックの概念についてまとめていきたいと思います。

身土不二(しんどふじ)

身土不二とは、平たくいうと、「身体(身)と環境(土)はバラバラではありませんよ(不二:分かちがたく結びついているもの)」という意味です。また、身土不二は地産地消との考え方とも良く似ています。

身土不二は、日本の伝統食の基本で、「身体(身)と環境(土)は切り離せない(不二)」ということ。具体的には「その土地でとれたものを、その旬に食べる」「自分の住んでいる土地の、季節のものを食べると身体にいい」ということです。

旬:季節の味

身土不二という言葉を紹介した桜沢如一は、人間は先祖代々暮らしてきた土地とはきっても切れない関係にあり、生まれ育った土地に実った食物を食べる事で健康を保つことが出来るという考え方を「身土不二」に定めています。

夏の炎天下で育てられた、いわゆる夏野菜、トマトやキュウリ、茄子、ゴーヤ、スイカにメロン。これらの夏に育つ食べ物は、食べると体を冷やしてくれます。

冬の厳しい環境で育つ、ごぼう、れんこん、にんじんや大根、白菜といった根菜類や冬の葉物野菜。これらを食べると体がほっこり温まります。

季節の実りをその場でいただく、つまり、旬の季節の味を味わう、ということです。

環境

物流や住環境が整備・発達し、本来人間が住むことのない地域でも生活できるようになった現代社会です。とくに目を見張るのが物流です。

代表的なものとして輸入食材です。

外国から輸入される野菜や果物、穀物などは、日本に運ぶまでの時間、病害にかからないように収穫の後、輸送途中で腐らないように防カビ剤や農薬がかけられます(ポストハーベスト)。腐らないように薬品をかけて遠路はるばる運ぼうというのに無理があります。

だからこそ、身土不二、地産地消が大切です。価格や品質だけに目を向けるのではなく、地元の生産者と向き合い、食だけでなく、環境も含めた暮らしのありようを考えていく新しい価値観やライフスタイルが地産地消という言葉にこめられています。

身土不二に対する疑問

下の表をご覧ください。

神代~孝徳天皇
(紀元~654年頃)
キュウリ、マクワウリ、ヘチマ、大豆、小豆、ベニ豆、大根、カブ、生姜、ユリ、レンコン、セリ、ラッキョウ、ニラ、ニンニク、ネギ、キクetc…
 皇極天皇~源平時代
(655年~1210年頃)
 ナス、冬瓜、エンドウ豆、フジ豆、イチゴ、サトイモ、ヤマイモ、クロクワイ、ゴボウ、ワサビ、ワラビ、防風、ジュンサイ、シソ、コエンドウ、ウド、フキ、淡竹、水菜、高菜、カラシナ、カキチシャ、ワケギ、アサシキetc…
 源平時代~徳川開幕
(1211年~1603年頃)
 スイカ、カボチャ、トウモロコシ、トウガラシetc…
 徳川幕府時代
(1603年~1866年頃)
 ジャガイモ、サツマイモ、糸瓜、レイシ、ソラマメ、孟宗竹、クワイ、チョロギ、
キャベツ、ホウレンソウ、小松菜、レタス、シュンギク、フダンソウetc…
 明治以降
(1867年~)
 西洋南瓜、メロン、オクラ、二十日大根、波羅門人参、アメリカ防風、火焔菜、タマネギ、リーキ、山葵大根、アザミ、カルドン、食用大黄、子持カンラン、セロリ、パセリ、イタドリ、シーケール、苦チシャ、マッシュルームetc…

『自然への回帰』日豊株式会社刊 引用

この一覧表は、外来作物と渡来した時代の一覧を掲載しています。

西洋南瓜、セロリ、パセリ、オクラなどは明治時代に輸入されたものですし、ジャガイモ、サツマイモ、小松菜等は江戸時代以前には日本にはありませんでした。

「身土不二」という言葉は、舶来の食品・食材は扱わうことはなく、その土地の人はその土地で育ったものを食べるのが健康に良いという意味です。

多くの野菜が元は舶来品ですね。言葉そのものの本来持つ意味からすれば、舶来品の野菜を食べることはどうなんでしょうか。私にはなんとも判断しかねるところです。身土不二には少々の無理があるかもしれません。

ただ、旬を味わうという観点では、「身土不二」は大事な理念だと思うところに変わりはありません。

何事もそうですが、あまり神経質にならないことが肝要かと思います。食事バランスを考えて、食事を楽しむのが一番ですね。

マクロビオティックの大原則

マクロビオティックでは、身土不二(暮らす土地の旬のものを食べること)と、一物全体(自然の恵を残さず丸ごといただくこと)という2つの原則があります。

次回は、【一物全体】をお伝えしていきたいと思います。

 

「体にいいものが食べたい」「食生活を改善したい」と思った時には、マクロビオティックの心得を参考にしてみるといいかもしれません。

ただ、実践したところで効果がなかったといって、マクロビオティックが何かを偽装した、ということではありません。あくまで、ご自身の体には合わないやり方だった、もしくは、やり方の何かが間違っていた、という可能性が考えられます。

あまり難しく考えず、まずは、『基本』を大事に実践してみてはいかがでしょうか。

繰り返しますが、マクロビオティックは特定の食事法や食品のみを強要するものではありません。

桜沢如一氏の「とらわれない」という思想のとおり、人の言っていることや本に振り回されるのではなく、自分が食べるものは自分の体と相談して取り入れてほしいと願っています。
 
 

陰陽バランスを意識した生命としてあるべき姿を求めるものがマクロビオティックの概念です。

本章では、マクロビオティックに関する基礎知識をまとめていきたいと思います。どうぞ、参考にしていただければと思います。

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