江戸時代に貝原益軒が書いた「養生訓」を踏まえて明治に石塚左玄が「食養」を唱えました。桜沢如一は、左玄の食物に関する陰陽論をベースとした「陰性」「中庸」「陽性」に分類を基本とした「正食」を確立しました。
それが、今日の「マクロビオティック」とされています。
陰と陽
マクロビオティックでは全ての物を陰と陽で分けます。 詳しくは、下記のリンク記事にまとめましたので、ご参考にどうぞ。
陰陽五行説1回目:陰陽五行説と桜沢如一
陰陽五行説2回目:陰と陽のバランス
陰陽五行説3回目:陰陽五行説と五臓
陰陽五行説4回目:陰陽五行説と五味
食べ物には体を暖める食べ物と冷やす食べ物がありその原理は陰陽説にあるといわれています。また、陰陽とはマクロビオティックの原理であり、また東洋の伝統的な世界観でもあります。
陰陽どちらにも偏りっぱなしになることなく、二つの性質を保ち適正にしておくには、この「陰陽バランス」を取ることが大切とされています。
マクロビオティックでは、この陰陽バランスの取れた状態を「中庸」としています。
「中庸」へ
『粗食』を、各ご家庭で実践して頂ければ、自然に中庸に近づくと言われています。
それは、主食を玄米に、和食は古くからこの陰陽五行の影響を受けており、五法、五味、五色を大切に扱います。
・五法(調理法):蒸す、生、焼く、揚げる、煮る
・五味(味付け):酸っぱい、苦い、甘い、辛い、塩辛い
・五色(色味):青(緑)、赤、黄、白、黒
なお、「中庸」へ近づける最短は、最初から中庸である未精米の玄米を食するのがわかりやすい食事方法ですね。
陰陽のバランス
現在人の食事は、陽性の肉や魚のおかずが多く、中庸とは言いづらい食事バランスです。
マクロビオティックの食生活では、玄米を中心とした中庸に位置する食べ物を摂ることで、陰陽のバランスを保っているとされています。
暑い季節には陰性の食べ物、寒い季節には陽性の食べ物が向くなど、体の健康を保つには陰陽のバランス、調和が大切という考えが基本になります。
玄米は基本
マクロビオティックの基本概念に、丸ごと食べきる、一物全体という考え方です。
一物全体
一つのまとまりのあるもの(種子、実、葉、根など)は、いろいろな面でバランスがとれている上に、まとまっていることによる、何か特別の働きが期待できます。
魚なら頭や尾も捨てずに出汁に利用したり、野菜は皮付きのままで、米なら白米ではなく玄米を。
一物全体とは、残さず全体を食べることがもっとも健康に良い食べ方であるという考え方なのです。
そして、日々の食事の中で米や小麦などの穀物なら、「丸ごと」というのは精白していないものと考えることによって、一物全体を実行できます。
玄米食
玄米は精米されていないお米なので、諸説あるようですが一般的には、ミネラルやビタミン、食物繊維が豊富とされ、胃腸に負担がかかりや蹴るすく逆に便秘や下痢になったり、胃の粘膜を傷つけてしまうことがあるそうです。
良い物を食べても、しっかりと胃腸が蠕動運動してしっかりと消化吸収しなければ無用の長物です。
玄米は血圧・血行を正常に戻し、コレステロ-ルを取り除く働きがあるとされ様々な栄養素を持つため、日々の日常生活の栄養分をこまめに蓄えるのにも有効であると言えます。
玄米がどんなに栄養豊富でバランスが取れている食べ物だろうと、「完全食」ではありません。これだけ食べて全ての栄養素が賄えるほど、人間は単純ではないのです。
自身にとって無理なく、長続きするスタイルを探し出す事が重要です。
繰り返しますが、マクロビオティックは特定の食事法や食品のみを強要するものではありません。
桜沢如一氏の「とらわれない」という思想のとおり、人の言っていることや本に振り回されるのではなく、自分が食べるものは自分の体と相談して取り入れてほしいと願っています。
陰陽バランスを意識した生命としてあるべき姿を求めるものがマクロビオティックの概念です。
本章では、マクロビオティックに関する基礎知識をまとめていきたいと思います。どうぞ、参考にしていただければと思います。
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