人の心を動かす「魅力的なストーリー」が「価値」を生み出します。

前回の記事では、サービスとは企業が消費者に価値を提供するための仕組みをつくることである序章についてお話しました。タイトルでも示してあるとおり、実はこの価値を提供する仕組みというのは、ある種のストーリーとして説明できるものなのです。今回の記事ではこのあたりを説明して、企業のマーケティング活動の参考にしていただければ幸いです。

感情移入と商品の販売戦略

ある菓子メーカーを例に説明を進めます。関東に本社を置く菓子メーカーA社が自社の新商品を開発する際のエピソードです。

新商品開発は家庭にある料理をイメージして再現した味のお菓子を開始しました。ある程度開発が進んだところで新商品開発メンバとは異なる部門の社員にそれらの商品の試食を頼んだ時のことです。

「この味は、我が家のそれとは味のイメージが違うよ。」

このエピソードからのちに商品の改良ならびにネーミングの再考案がなされ、30年を超えるロングヒットとなる商品が生まれました。この「味のイメージ」という発言が消費者の感情につながり長らく支持してもらえるお菓子になったわけです。もしその社員のこちらの発言がなかったら、その商品はすでに発売が中止されていたかもしれません。

商品の開発はその作り手の様々なストーリーがあります。よく耳にするのは素材の入手する過程での苦労話、味の再現過程での試行錯誤、販売ルートの拡大など様々あります。一方、消費者側ではどうでしょうか。

陳列棚に並んだ商品を手にとり商品パッケージをみます。次にそのネーミング。最後にその商品を購入した後どのようにそれを消費するのか、そのシーンを思い浮かべることがあるのではないでしょうか。ここに感情移入となるとわけです。

その消費者が浮かべる消費シーンのイメージと、生産者の商品に対する思いが合致したとき、はじめてその商品がもつ「価値」が生まれるのです。そして、[free_buttun_txt]そこから販売戦略へとつながるのです。

ビジョンのプロトタイピング

ビジョンという言葉は一般に浸透した言葉ですね。とりわけ、「ビジョン」の言葉を有名にしたのは、著者:ジム・コリンズのビジョナリー・カンパニー 2 – 飛躍の法則 ではないでしょうか。こちらは、2014年時点で累計400万部を超えていると販売記録があるくらいですから、すごいですよね。

ビジョンとは簡単に説明すると自分たちが思い描く未来の姿、と言えると思います。当然のことながらそのビジョンを到達するまでには紆余曲折を経ることなるかもしれません。

プロトタイピングという言葉をご存知ですか? 機械製造業や IT業界で既に常識として広く浸透している概念なのですが、最終型となる機能を含めた最小限の動きをする仕組みのことです。

仮説を検証するために最も少ないコストで実現できる仕組みを作り実際に動かしてみてその効果を検証し改良を加える開発手法です。目指すべきビジョンがある程度目に見える形となって存在してあれば、自分たちの進む開発のその先が合致した方向に進んでいるかどうかを判断することができるということがあります。

そのためには、ビジョンの見える化、すなわち、プロトタイピングが必要となってくるわけです。

新しいライフスタイルの魅力を伝えるストーリー

今、自分たちが開発している商品など、世に出すサービスの新規性が高ければ、既存の常識の中で暮らす人々に対して新しいライフスタイルの魅力を伝える必要があります。インターネットやスマートフォンなどは、まさにその代表的なサービスといえるのではないでしょうか。

その魅力を伝えるのがストーリーなのです。

ストーリー性のあるアプローチが現代を生きる私たちのその先のビジョンをプロトタイプしてくれるわけです。このように、ビジョンを構築しビジョンを目指す上で様々な製品が開発され、市場の中でサービスが作られていくことで新しいライフスタイルが確立されていくのです。

本章ではこの新しい企業と消費者を結びつけるサービスの考え方、構築方法について紹介してまいります。どうぞ、参考にしていただければと思います。

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