こんにちは。食育コンサルタントのベルディアです。
粗食をテーマとする記事も、今回で第4回目です。前回までの振り返りを少ししましょう。
第1回目:粗食とは。「地産地消」を心がけた季節の旬を味わう食事
第2回目:粗食の前に、「肥満」を真剣に考える。
第3回目:粗食で重要視すべきは食の質
健康維持のために食事の質を整えて肥満にならないようにすることは多くの人が意識することです。
では、その逆の視点とも言える、健康維持のために痩せないようにする、という意識が必要な人もいるのです。
その対象者が、高齢者、なのです。
そもそも「痩せ」とは
体格を表す一般的な指標として、体重(kg)を身長の二乗(m2)で除した体格指数(BMI)が用いられます。。このBMIは、数値が高くなるほど肥満度が高くなります。このBMIについては、こちらで詳細の記事をまとめていますので、あわせてどうぞ参考になさってください。
この「痩せ」が高齢者にとってはとても危険なことというのがわかりはじめました。
高齢者の「痩せ」傾向
一般社団法人日本生活習慣病予防協会の記事の一部を引用します。
BMIが20以下、低タンパク、栄養不良の指標になり死亡率が増える「アルブミン4.0g/dL以下」を低栄養とし、厚労省「国民健康・栄養調査」の結果から調べたところ、「65歳以上の2~3割」が低栄養と判明した。
出典:一般社団法人日本生活習慣病予防協会
「高齢者ではメタボより「低栄養」が介護や死をまねく 認知症やロコモも」
栄養状態は、体力や筋力とも関連しているとされています。つまり、低栄養の状態が続けば、当然体力の衰え、筋力の低下につながるといものです。
例えば摂取エネルギーが不足すると、本来は体をつくるために使われるタンパク質で、エネルギーの不足分を補うようになります。その結果、タンパク質が不足し血管が弱くなり動脈硬化を起こしやすくなるリスクが高まる可能性も示唆されています。
そして、ここにきてある可能性が考えられるようになりました。
高齢者の「痩せ」の要因として「粗食」が関係している可能性が高い、というものです。
高齢者と若年(壮年)者の健康の違い
別の記事でもお伝えしていますが、炭水化物の過剰摂取は最終的には脂肪として体内に蓄積されます。
また、脂質の過剰摂取は、高血圧や心臓病のリスクを高める可能性があります。
これらを防ぐために、旬の野菜を中心とした粗食が健康に良い結果をもたらす、というのが今回のシリーズの要です。
が、しかし、です。
これが当てはまるのは、あくまで若年(壮年)者に限る、ということです。
なぜなら、若年(壮年)者に比べると、高齢者は食欲が衰えます。また、体内基幹、とりわけ消化器官は当然のことながら衰えています。つまり、栄養の吸収する力が弱まるわけです。
そのような状態の中で「粗食」を中心とした食事を続けていたら、、、、、、どうなるかお察しのことかと思います。
最後に、地方独立行政法人東京都健康長寿医療センターの記事を一部引用します。
食品摂取の多様性得点を3つの群(9点以上、4~8点、3点以下)に分けたところ、9点以上の群に比べて、4~8点の群では18%、3点以下の群では64%も生活機能の低下率が高くなっていました。この研究結果から、多様な種類の食品を摂ることは、老化のスピードを遅らせるのに重要であることが明らかになりました。
出典:地方独立行政法人東京都健康長寿医療センター
「食生活に要注意 -高齢者の低栄養はキケンー」
こちらの記事でもあるように、健康長寿を達成するためには、低栄養の予防に努めることが大切です。そのためにはタンパク質等も敬遠せずに十分とるなど、多様な食品から様々な栄養素をまんべんなく摂り、栄養素密度の高い食事を心がけることが大切です。
本章では、粗食と健康についてをまとめておおくりしたいとおもいます。
ダイエットを目的とした粗食の話ではありません。
旬のものをおいしくいただくことは、とてもしあわせなことだと思います。春には春の旬のものを 夏には夏のものを、四季を食卓に取り入れて、本当の意味での粗食を楽しんでいただくための助けになれば幸いです。
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